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ウェブコミック誌にて漫画連載も決定した『なれる! SE』の第五巻。

SE残酷物語という帯のとおり今巻も読者に「SEにだけはなりたかねえ」と思わせる内容で250ページぐらい書かれております。

「あんた西日本と東日本どっちが好き?」立華のその一言が過酷な出張への一里塚。各地を転々とした後、立華とともに辿り着いたのは――なぜか工兵の実家で!?


以下ネタバレあり。

 


  • 概要。

工兵くんが出張に出かけるお話。
これまで課されてきた無理難題とは違い、各地に用意されている機器を配線するだけの簡単なお仕事! 
だったはずなのに…。まあ当然お約束のようにそうは問屋がおろさないわけで、工兵の苦難がはじまるというお話。休みなんてねえ!

 

お話の構成はいつもと同じ感じ。

序盤はいわゆるお仕事地獄がコメディタッチで描かれ、サブヒロインとの絡みなんかもありつつ、室見との親交を深めた後、工兵の発想と交渉力、室見の技術力で大きな問題に立ち向かう。

今回のお仕事内容は、原点に立ち返っての現場仕事。
ということで、現場の大変さを痛感――とはいえいやまあ、一足とびにPMなんて経験した工兵にとってみればもはや充分それぐらいの苦労・心労は経験してきているような気もするのだけど。現場仕事のまとめとしては「エンドユーザーからの生の言葉を聞くことでしか実感できないものがある」ということになるのだろうか。ともかく工兵くん自身もいい経験をしたと感じているようで何より。


この手の仕事は現場での調整能力、臨機応変さが求められるのだけど、いつも大胆な裏技を使って難所を乗り切る工兵には向いてる仕事かもしれない。
 

しかしあんなにどうしようもない会社の尻拭いをさせられる現場は嫌だとしか。勘弁して下さいシローさん。



  • イラスト

イラストを見ると、まず表紙が梢さん。この表紙を見て僕のように梢さんの活躍に期待した人は多いはずだ!


しかしよく考えてみると五巻出てヒロインらしきキャラもそれなりに増えてきたと思うのだけど立華と梢さんしか表紙を飾っていない。
カモメさん表紙ぐらいはあったんじゃないかなーと思ってたけどなかった。
原則シリーズ通して立華、梢のダブルヒロイン的な感じでいくのだろうか。……うーん、ダブルヒロイン? そんな扱い、してもらえているだろうか、梢ちゃん。
 

中の挿絵はほぼ立ち絵的なものばかりだけど、でも、まあ、うん、これはこれでいいんじゃないかしら。かわいいし。


以下登場人物に焦点を絞って。

 

  • 室見立華

『あんた最近PMだプリセールスだって上流工程ばっかり関わってたでしょ? いい機会だからこのあたりで一度現場の感覚を取り戻しておきなさい』

引用した部分にも見えるように今回は全体を通して随分真っ当に上司をやってるなあという感。いやいつもしてるけどね。

基本的に今巻立華との会話はメール&チャットで会話をするような形になるのかなと思ったら中盤からまたガッツリ合流。しかも流れで工兵くんの実家へと……これがメインヒロイン補正か。

序盤から『現場仕事』というキーワードを強調してたこともありひょっとして工兵が立華から離れ一人でミッションをこなしていくことに重点をおいたりするのかなと思ってたのでそこはやや肩透かしな感じ。

それにしても相変わらず立華の境遇や過去についてはすこしずつしか情報が開示されない。

今巻の立華の見所は工兵の家の屋根から町を見下ろすシーン。

『あんたと一緒なら……知らない土地でもなんとかやってけるだろうし』

おおう。おおおう。
そこまでの少なかった出番をすべて取り戻すかのような気になるセリフ。しかしこの言葉の真意を聞けないまま、仕事を挟んだせいで完全にスルー状態極まってるのが工兵くんの工兵くんたる所以というか。

少なくとも単なる軽口というわけではなさそうだし、立華の仕事に対するスタンスがますますわからなくなってきた感はある。


  • 姪乃浜梢

『室見さんのことワーカホリックって言うけど、姪乃浜だって大概な仕事中毒じゃないかと思ってるでしょう』

……怖いよ梢さん。表紙になってるけどあんた今回単なるストーカーだよこれ!

同僚と出張先でばったりとかそんな偶然もあるんだなー…って、ないよ。ないない。

この日だけ仕事がスムーズに行ってるのも梢さんの根回しなんじゃないかって思っちゃうよ。

あと心の声全部ひどいよ。

というか登場キャラのヤンデレぶりを表現するのに心の声が主人公に聞こえてくるというのはいささか斬新な手法であるような気がしなくもない。

梢ちゃんの見所はデートシーン、密着たっこやきいいよね! ……と言いたいところだけどやっぱり梢登場時のビビりまくってるシーンが面白くてそこになっちゃう。仕事終わりにきたメールもゾクッとした。登場シーンは全部で三十ページぐらいで多いとは言いがたいけどかなり濃い印象を残した。そりゃ表紙扱いも納得。納得?
 

ただそのわりに物語的には彼女のシーンが最後の立ちふさがる問題の解決ヒントをねじ込んだ単なるサブプロット的な扱いであんまり本筋に絡まなかったのでそこはちょっと残念。



  • 桜坂誉

『私の方が室見さんより胸がでかい』

新キャラは中学3年生、少し歳の離れた妹、この設定だけであざとい。

イラストの話になるけど電撃文庫シャツはどうかと思う。ないわ。

登場してからすぐ兄を泥棒と間違えて攻撃してきたり、立華を見て工兵が女の子を攫ってきたと騒ぎ出したり、基本的にやりたい放題のトラブルメーカー体質というかなかなかいい性格をしている。
 

室見の旧知の人間以外で、工兵以外から見た立華像を話してくれる人間というのがあまりいなかったので今回の「過去や思い出がからっぽ」発言はちょっと気になる。部屋もからっぽだったしね、立華。


桜坂家は親父もお母さんもそれなりにキャラが立っていて面白い。厳しい家だと言ってもあの妹が育ってるなら大丈夫。工兵もそだってるわけだしいい家族なのだろう。


他には…シローさんとか。小説で読んでる分には面白いけど実際取引してる企業の担当者がこんな人だったらイライラやきもきしてしょうがないだろうな。ブルドッグさんは今回のテーマとしては大事な登場人物だったんだろうけどお疲れ様ですとしか言えない。

カモメさんは毎回出てはいるけど今巻なんか完全に便利な脇役って感じになってるのでそろそろカモメさんメインのエピソードの一つでも…。ラブコメ空間には巻き込まれない気がするのでその点は諦めてはいるけれども。

 

  • 最後に

物語の構造云々のところでもちょっと触れたけど中身が良く言えば安定、悪く言うとマンネリになりつつあるのはちょっと気になっている。

今回は伏線もわかりやすかったというか、梢さんのコンフィギュレーションレジスタのお話が唐突気味に出てきた地点でどんな問題が起こるのか勘づいてしまってちょっと損した気分。

でもこのシリーズに関して言えば、お仕事解決の部分はわかりやすいぐらいでちょうどいいかも。技術的なことを理解しようとすることに一生懸命になってお話に入り込めないってなると本末転倒なので。(個人的には技術的なお話も新鮮で面白いのだけど)

ただ以後お話の展開的にもうちょっと違うものも読みたいなという気がするので、キャラに焦点を当てた短編集とか書いてくれたら嬉しいなとかなとかちょっと思ったり。

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